読書記録

2006年12月27日 (水)

セルジオ越後 著 : 日本サッカーと「世界基準」

 辛口コメントでおなじみのセルジオさんが書いた本。

 日本サッカーは、果たして世界基準に到達できるのかを、真剣に、かつ厳しく論じている。

 おもしろかったのは、日本チームの決定力不足解消のヒント。日本の草サッカーは“時間”で終わりになるが、ブラジルの草サッカーはお互いが決めた“点数”を取るまで続ける。ここに決定的な差があるという。

 また、不調のストライカーには「シュート1本外したら100円の罰金。1点決めたら1000円の褒美」という賭けをすればやる気が出るとか。

 サッカーの教育と育成についても、“補欠の撤廃”が最大の課題であるという。

 これには、私も大賛成である。日本のスポーツは学校中心で動いてきた。そのため、強豪校には50人、60人、いや何百人という部員がいても、レギュラーはたったの11人。

 クラブチームが中心なら、出場機会に恵まれない子はどんどん他のクラブに移ればいい。すべてのクラブが強豪をめざさなくてもいいようなスポーツ環境ができたらいいなと感じた。

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2006年12月20日 (水)

山田 豊 著 「会議で事件を起こせ」

 学校も会議が多くて、何とかしたいと思っている。

 悪い会議に、名前を付けているのがおもしろいし、著者はこのネーミングをみんなが意識することが大切だと言っている。

 「独演会現象」
  特定の人がひたすら喋り続ける
 「様子見現象」
  皆が周りの顔色を窺って発言しない
 「百家争鳴現象」
  発言は活発だけれど建設的な議論にならない
 「ダメダメ現象」
  自由な意見に上司がダメを出し続ける  

 など…。

 会議の目的と目標を参加者が共有するだけでも相当変わる。
 
 問題と感じている人は多いが、本気で変えようと思っている人は少ない。

 変えようという意識を持って行動に移せ、と励まされた感じになった。

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2006年12月12日 (火)

伊藤 進著「ほめるな」

「ほめる教育」が子どもをつぶす!という過激な帯の言葉に惹かれて購入。

 なにせうちの学校の実践指針は「褒める」ですから。これは読んでおかないと…。

 批判的な意識と言うより、いろんな考え方を聞いて、自分のスタイルを確立したいと思っているので。

 読んでみて、そんなに過激じゃないし、そんなほめ方をしていたらダメになるというのは確かにあると感じた。

 私も校内で主張してきたが、ただやみくもに「えらいね」「すごいね」「いい子だね」と言ってみても、意味はない。場当たり的にほめても、子どもは素直に受け止めない。

 その子に響く言葉でなければ変容はないだろう。

 その子を真剣に理解することが大前提であることは明らかだ。そういうことを再確認した本ではあった。


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2006年11月25日 (土)

佐伯 年詩雄 著「これからの体育を学ぶ人のために」

 佐伯年詩雄先生(筑波大学名誉教授、平成国際大学教授)の「これからの体育を学ぶ人のために」を読んだ。

 この本は、これまで先生が体育関係の雑誌に書かれてきた論文を1冊にまとめたものである。

 だから、1つのまとまりが雑誌論文サイズになっているので、短くて読みやすい。

 しかも、ものすごく切れ味鋭い表現なので、読んでいて、いちいちストンと落ちてくる。

 体育という教科は、運動を教える教科である。しかし、実態はどうだろう?単なる発散の場であることも多いし、運動を通じて培われる社会性や体力ばかりが重要視されている面もある。

 運動は、それ自体が目的であり内容である。つまり、体育科は運動そのものの楽しさを味わうための教科である。
 
 授業研究会ですばらしい授業を見ることは多いが、この根本を忘れてしまった実践のいかに多いことか。せっかく子どもが運動のおもしろさに触れているところへ、「もっと技能を高めろ」とか「もっと体力をつけろ」とよけいなことを言って、子どもの学ぶ力や意欲を失わせている。

 生涯スポーツという言葉も一般化してきて、スポーツ人口は確実に増えている。しかし、競技者のまねをするばかりで、マナーの悪いスポーツマンが多すぎる。これも、スポーツを楽しむ力をきちんと育ててこなかったからだと私は思っている。
 
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 体育関係者は、この本を絶対に読むべきだと思う。体育科としての運動学習の方向をこれだけ明確に示している書はない。

 そして、読み終わった後、体育授業に対する考え方が変わっているだろう。

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2006年10月30日 (月)

「熱狂する教員」を育てなければ…

 たまには経営関係の本も読む。デビッド・シロタ著「熱狂する社員」を読んだ。 

 社員がやる気を持って仕事をするには、3つの要素しか関係しない。

 それは、達成感、公平感、連帯感。我々教員に決定的に欠けるのは、公平感であるという。

 結果の平等を求めれば、だれも意欲を持って仕事をしなくなる。教育の荒廃の原因は、まさにここにある。

 わかりやすい事でしょう。「熱狂する教員」を育てなければならないなぁと感じた。

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2006年10月20日 (金)

安倍 晋三著「美しい国へ」

 首相執筆の本である。

 帯に「自信と誇りのもてる日本へ」とある。自信と誇りというキーワードは、私の教育に対するテーマでもある。

 教育再生会議がスタートした。現場としては困惑する部分もあるが、何を考え提案しようとしているのかは理解できる。

 小泉さんより、ちゃんと説明してくれそうだけど、この意志を貫いてほしいと感じた。

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2006年9月30日 (土)

野口 健 著「あきらめないこと、それが冒険だ」

 “野口健”と“白石康次郎”出演のテレビ番組を見て、即購入した本である。感動しやすいタイプなので…。

 児童書なので、とてもわかりやすいし読みやすい。

 すごい冒険家だけど、やっぱりカネ持ちだからかな?なんて思ってしまう。

 勉強嫌いの野口に、父親が言った言葉はなかなかいい。「勉強したくなるときが必ずくるから、そのとき一生懸命勉強すればいい」

  太っ腹だな。

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2006年5月16日 (火)

きょうは健康診断

 きょうは、健康診断だ。年をとるにつれて、だんだん緊張するようになる日だ。

 最近読んだ本に、「医者以前の健康の常識」というのがある(左のリンクを参照)。この中に、「健康診断の上手な切り抜け方」というページがあった。“切り抜ける”つまり、その場しのぎ。その時だけ数値が範囲内に入れば、安心して普段不摂生ができる。とまぁこんな感じだろうか。
 私も、最近この“切り抜ける”術を磨いてきたので、お医者さんがこんなことを言ってくれるなんて、うれしくなってしまった。

 私の場合は、せいぜい3日間ぐらい晩酌をやめることぐらいだが、ここにはいろいろと書いてあった。

 中性脂肪対策(これは私は大丈夫)
  ・3日前から脂っこいもの、甘いもの、アルコールを控える。
 血糖値対策(これもそれほど心配ない)
  ・検査当日の朝ご飯を抜く。
  (これは必ず抜くように言われている)
  ・前日の夕食も早めに軽くすませる。
 血圧値(私はけっこう高めなので注意が必要)
  ・1週間前から塩分の摂取を減らす。
  (しまった!きのうポテトチップをばりばり食ってしまった)
  ・診察室に入る前、深呼吸を何回もする。
  ・ベルトをきつく締めない。
  ・ストッキングや靴下を脱いでおく。
  ・睡眠は6時間以上。
 肝臓に関係する数値(これが最も危険)
  ・1週間前から飲酒量を減らす。
  (金曜日に宴会があって…)
  ・豆腐や納豆をよく食べる。

 まだいくつかあるが、これくらいにしておこう。ま、これで何とかなっているうちは大して心配はないということ。本当にまずかったら、ごまかせるわけがない。

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2006年4月 7日 (金)

野村監督はかくれ巨人ファンだった?!

 野村克也著「巨人軍論」を読んだ。
 野村監督のこれまでの私の印象は、あまりよくなかった。ボヤいてばっかりで、あれで選手はのびのびやれるんだろうかと思っていたからだ。
 しかし、この本を読んで、ちょっと見直した。監督は、選手から好かれようとしてはいけない。しかし、信頼されなければならない。管理職として、これは自覚の高い言葉だと思った。あの独特のボヤキにも、選手を育てる深い意味があるんだということを初めて知った。
 さて、アンチ巨人の野村監督が、どうして「巨人軍論」なんだろう?というのが本書を読むきっかけだった。実は、子どもの頃は巨人ファンだったらしい。でも、南海ホークスに入団してからきっぱりとやめたそうだ。
 かつての強い巨人。そこから勝つためのノウハウをすべて学んだという。野村ID野球は、打倒巨人のためにあみ出されたのである。そして、巨大な敵に立ち向かうことに、やりがいとおもしろさを感じている。だから、簡単に破られてしまうような弱い巨人であってほしくないという相反する思いが、うーんわかるなぁと思った。
 野村監督が言うように、人を育てる巨人軍にもどってくれれば、私も巨人ファンに返り咲きたい。

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巨人は、強いからこそ倒したい相手。勝利のノウハウは、すべて巨人から学んだという。ボヤキにも意味があるんだと知った。

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2006年3月13日 (月)

深代 千之著: 運動会で1番になる方法

走りを科学的に解明した日本のバイオメカニクス研究はすごい。速く走る秘密は、股関節にあり! でも、そう簡単には一番になれそうもないけど…。 運動会が近づいたら、もう一度開いてみよう。えっ、息子に伝授するんですよ。

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2006年3月10日 (金)

武士道入門

「SAMURAI BLUE」というのが、サッカー日本代表の愛称?になったらしい。侍と言えば、武士道。私も、以前に岩波文庫の「武士道」を読んだことがあった。でも、とっても文章が難しくて、よく頭に入ってこなかった。でも、日本人としての誇りを大切にしたいと思っている私は、再チャレンジしようと思っていた。
 今回読んだのは、その入門書の一つ。「武士道 -入門-」である。これはいい。何より、字が大きくて、しかもページ数が少ない。要約版だけど、原文の要点となる部分を抜き書きしてある。訳者の注釈や解説なども一切ない。これなら、何度でも繰り返し読める。
 以下、これは!と思う言葉を紹介する。
・武士道は桜の花
・武士道は知識のための知識を軽視する
・「義」とは、勇気を伴って為される決断力である
・義を見てせざるは「勇」なきなり
・武士の情け(「仁」)
・「礼」とは他人に対する思いやりを表現すること
・すべては「誠」に始まり「誠」に終わる
・「名誉」という感覚は、個人の尊厳とその価値の自覚から生まれる
・自分のことを考えているのは愚か者である(「忠義」)
・武人の特とされている功名心は汚れをまとった利益よりも、むしろ損失を選ぶ
・武人の究極の理想は平和である
・サムライは日本人の理想
・武士道は不滅の教えである

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2006年2月26日 (日)

羽生善治「決断力」から

 若くして天才棋士と呼ばれる羽生善治の「決断力」という本を読んだ。天才は、勝負を決める決断をどう下しているのか興味をそそられた。天才といえども、ギリギリの極限状態で勝負している様子が伝わって、好印象を受けた。
 将棋は脳のスポーツと言えるのだろうか? 勝敗のあるゲームと考えるとスポーツとの共通点は多い。この本の中でも、スポーツに例えているところがたくさんある。
 私がオッと思ったところをいくつかピックアップしてみる。
「欠点は裏返すと長所でもある」
  欠点のない人間なんていない。自分の将棋にも欠点があるということを自覚しているという。しかし、「自分でわかっているのだから、その欠点も消すことができるかというと、それは難しい」 なぜなら、欠点を裏返すと一番の長所だったりするからだ。「だから、それを消そうとすると、また別の欠点が出てくる」ことになるというのである。
「読んでいれば、相手の刀がかすめても怖くない」
 決断の瞬間のことである。「かなり危険だと判断しても、私は、踏み込んで決断をする方だと思う」と自己分析している。それはそうだろう。そうしなくては勝てないわけだから。しかし、その後に続く言葉に驚かされた。「見た目にはかなり危険でも、読み切っていれば怖くはない」 時代劇などでもよくあるシーンだが、相手の刀がほんの数㎝のところをかすめた次の瞬間に「グサッ」ということがある。私は、こんなことは読んでできることではないと思う。しかし、それを「読み切っている」というところがスゴイと素直に感じた。
「決断とリスクはワンセットである」
 リスクを背負って決断を下すことが現状打破につながるという。「リスクを避けていては、その対戦に勝ったとしてもいい将棋は残すことはできない。次のステップにもならない」「積極的にリスクを負うことは未来のリスクを最小限にする」 なんだか、ビジネス書には必ず載っていそうな言葉だ。でも、スポーツなどと絡めて言うと、かっこよくさわやかな感じがするんだな。これがいいところだ。

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2006年2月11日 (土)

斉藤孝「友だちいないと不安だ症候群につける薬」を読んで

 こういう売れすぎている人の本はあまり読みたくないのだけれど、題名につられて、つい買ってしまった。友だちは大事だし、親友と呼べる人がいれば心強い。だけど、どちらかというと、自分は「友だちがいない」人間の部類に入るんじゃないかと思っていた。だからといって、自分がおかしな人とも思わなかったし、仕事上のつきあいはきちんとしてきた。
 著者は、「友だち力」をつけることの大切さを説き、スキルアップの方法をいくつも教えている。中でも、おもしろかったのは、「偏愛マップ」というものだ。これを作るのは簡単だ。自分の好きなもの、好きなことを、片っ端から書き出せばいい。偏っていると思っても、それが自分のワールドなんだから、それでいいというわけ。大事なのは、これを使って人と話をするきっかけを作るということ。お互いの「偏愛」状況を見せ合って、1つでも共通点があったりしたら、これがきっかけで話が弾む。そう言えば、「へぇー、あなたもこんなことが趣味だったんですか」なんてことはよくある。そんな人とは、あうたびにそのことで盛り上がれる。人と付き合うというのは、その人の人格そのものと向き合うのではなく、お互いの好きなものやことを共有することだというのがナルホドと思った。
 そうか、友だちってそんなものだと思ってればいいんだ、と子どもたちが感じてくれればいいなと思う。中学生ぐらいなら十分読める。教員や親も読んだらいいんじゃないかと思った。

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2006年2月 3日 (金)

福田正博「ベストを尽くせ!」を読んで

「埼玉教育」という総合教育センターで発行している雑誌がある。この12月号に、元浦和レッズ・現サッカー解説者の福田正博の原稿がのっていた。題名は、「ベストを尽くせ!」
 福田といえば、得点王にもなったし、ミスターレッズとも言われた選手である。Jリーグの草創期において活躍した選手が、指導者として戻ってくるのは、とても楽しみなことである。
 この文章で、いくつか目にとまった言葉を紹介する。

「キャプテンとして必要とされるのは、チームの状態が悪い時に、自分の気持ちがブレないよう、自分の信念やチームの方針を信じて、それを貫いてプレーする姿を見せることだと思います」

 どんな組織においても言えることだと思いました。組織がうまくいっている時は、突っ走ればいい。問題は、状態が悪くなった時。この時にこそ、リーダーの姿勢が問われるのだと思う。昨シーズンの大宮も、苦しい連敗の時期があった。でも、何となく安心していられたのは、監督や選手が「自分たちのやっていることは間違っていない。結果がついてくることを信じて練習するだけだ」といったコメントをしていたからだ。

「単にコミュニケーションをとることが大切なのではなく、コミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要なのです」

 信頼関係とか共通理解とか、言葉で言うのは簡単だけど、実際は本当に難しいことだと思う。集団が、組織になれるのは、これができたときだと思う。

「プロの選手になりたい。有名になりたい。お金を儲けたい。というような、外的な動機付けも大切ですが、最終的には、好きだ。うまくなりたい。だれにも負けたくないなどの内的な動機付けがないと、努力をし続けることは難しいと思います」

 私が体育授業で求めていることは、ここで言う「内的な動機付け」である。その運動が「好きだ」と思わせるには、「楽しい」と感じる経験が必要である。楽しい経験は、運動の機能的特性に触れることで味わえる。

 最後に、将来の夢は、Jリーグの監督になることだと述べている。どれだけの指導性が発揮できるのか、とても楽しみである。

 

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